*吉田のうどん* ”吉田のうどん”の歴史が始まったのは戦後ではないだろうか、 富士山麓は標高が高いためにあまり米が取れず、小麦、大麦アワ、ヒエ、ソバ、もろこしなどを食しており、小麦、大麦を粉にして水でこね、汁に野菜と共に入れ煮て食べる ”ホウトウ”などが燃料の節約にもなり、貧しかった当時の一般家庭の常食だった。 一度茹で上げ、茹でた煮汁を捨てる”うどん”の場合は燃料がそれだけ掛かり贅沢な食べ物であった事だろう。 一度煮る事で出来上がる”ホウトウ”と比べ、手間を掛け、汁を他の鍋で煮る”うどん”。 味噌も自家製であり、各家でそれぞれに違う出し汁、”うどん”があり、レジャーの乏しい時代の中で、祭りで親戚へおよばれに出掛けて食べる”うどん”の味は、自宅のそれと大いに違い楽しみでさえあった。 祝儀、不祝儀などの時に必ずうどんを食べて終わりにするのが”うどん”好きの吉田の土地柄ではあるが、お客様をもてなしの最後に家人が心を込め打った”うどん”をお 出しする。そういった先人の心、慣習が今もそこに残っているのではないだろうか。 そう、”うどん”は吉田ではご馳走だったのだ。 かって、ガチャ万景気と言われ隆盛を誇った織物業。地場産業として市内の半数近くがその仕事に携わり、父親が家で家長として機業労働に従事していた戦後の良き時代。 幼子を背負い夕方”うどん”を打つ姿がいたるところで見られた懐かしき時代。富士の厳しい自然、伏流水と小麦粉そして家族の愛が生んだ”うどん”。 それが”吉田のうどん”だ! ”吉田のうどん”は 富士吉田の文化だ! |
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オーナーの薦める*吉田のうどん* 富士吉田市には”うどん屋”さんが40軒以上あり、富士五湖まで範囲を広げると「吉田のうどん」の流れを汲む店が50軒以上あります。 旅の楽しい思い出作りには、五感の一つである味覚を楽しむ事をおいては語れません。 せっかく富士山麓までお越し頂き、お食事を楽しんで頂く訳ですから、美味しく、尚且つ話題性に富んだお店を作法等をまじえ、順次ご紹介致します。 「吉田のうどん」は本来、各店の手打ち麺が基本ですから、製麺所等で打った麺を使うお店は、取り上げておりません。 *作法* 初めての方は絶対に「冷い皿うどん」「冷やしたぬき」「冷たいつけうどん」など、お品書きに「冷たい」が付いていましたら、ご遠慮下さい。とにかく”うどん”が硬いのです。 チャレンジ精神の旺盛な方がグループ、また2人で行かれた場合は、1皿だけ取って食してみる価値はあると思います。 初めて食べた方が言いました「コレは人間が食べるものではない」と、まで言い切りました。 所が半年でファンに豹変し定期的に「”うどん”が食べたくなった」と東京から車を飛ばして来る方もお出でになります。 テーブルに置いてある、薬味(ゴマだれ・擂りだれ)も使ってみよう。こちらもそれぞれのお店で研究を重ね、七味、ゴマ、山椒等を使い 独自の味を出しています。初めての方は最初から入れずに汁うどんを味わってから入れるのがお薦めですね。 ”吉田のうどん”の特徴の一つに、茹でたキャベツが載っている事がある。初めて食べた方は「どうして?」「なぜ!キャベツなの?」と思う事だろう。 キャベツはビタミンUが多く含まれる食物で、消化促進させる効能があり、コシがあり硬いうどんにキャベツを載せる事は、実に利にかなっているのだ。 また、茹でキャベツと一緒に載る肉のしぐれ煮は、殆どのお店でサクラ(馬)肉を使っている。 この地方では昔からサクラ肉を食する習慣があり、馬刺しは 市内の精肉店で普通に販売している。 ”吉田のうどん”の風味は、サクラ肉から来ているかも知れない。 店内で、その店の出してくれた”うどん”の品評会をしてはいけません! 回りにいらっしゃるお客様の大半はその店のファンであり、友人であり、同級生であり、親戚だったりするので 「硬い!」とか「まずい!」などと言おうものなら、睨みが入ったり「チョット外へでな!」などと言う事に・・・・・。 市内在住の方は”うどん”好きが大変多く、貯金会、無尽会等で話題が尽きた時に”うどん”の話を投げ掛けますと、皆それぞれのMyうどん屋があり、ウンチクを語り始め1時間はアッという間に過ぎて行きます。 富士吉田市はそんな”うどん好き”が多い町です。 2001/5/18
では、「吉田のうどん屋」さんをご紹介致しましょう。(店名をクリックして下さい)
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