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2008年10月15日

咲耶の帯

    咲耶の帯

 早朝、厳寒の山中湖に立つ様になって、3回目の冬を迎えようとしているが
飽きる事無く益々、その魅力は増し、今年は一年を通して立ってしまった。

 暗い内から東雲、暁、曙へ、夜から朝へ時間の経過に伴い、彩を変えて行く御山。
湖面には霧が湧き上がり、そこへ朝陽が降り注ぐと、この世とは思えない程の
色彩を発し、カメラマンを虜にする。

 御山が紅色に染まる頃、西側地平線にピンクの帯と薄いブルーの帯が走る。
無知なカメラマンは「夜と朝のせめぎ合い」と呼んでいたが、最近、友人から
薄いブルーの帯は 地球影(ちきゅうえい)earth shadow と、呼び名がある事を
知った。何と!地球の影を見ていたのだ。知らないという事は・・・罪悪感さえ感じた。

 早速、地球影 をネットで調べてみた。
すると薄い青は回転する地球の影、すなわち夜の端っこが見えている訳なのだ。
そしてピンクの帯は、青空との境界線で ビーナスの帯 belt of venus と呼ばれており
その、ロマンテイックな名前に思わず頷いてしまった。

 だが、ビーナスは西洋の愛と美の神様、御山の祭神は此花咲耶姫様である。
姫様の裾野に棚引く景色がビーナスの帯では可愛そう、そこで名前を付ける事にし
勝手ではあるが”咲耶の帯”と命名させて頂いた。如何だろうか。

 これから寒くなり、空気が澄んだ日は”咲耶の帯”の出現率が高くなる。 
南極大陸やハワイのマウナケア、近い所では南北アルプス・富士山五合目等、高い所へ
登れば見る事が出来るが、都心から100分、安近短の山中湖で観る事が出来るのだ。
 一生に一度で良い、観て貰いたい絶景が、ここ山中湖にある。

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投稿者 pinetree : 2008年10月15日 21:02