2006年07月09日
新倉掘抜
新倉堀抜 富士吉田市・富士河口湖町指定文化財
= 日本最長手堀トンネル =
富士吉田市 赤坂地区 中央高速道下にある出口 冷気漂う掘抜出口
「新倉掘抜」を見学して来た。
まず、富士吉田市内赤坂地区にある新倉掘抜出口のある場所へ向かった。
中央道橋脚下に1枚の看板があり、出口部分近くにも1枚、紹介文の書かれた立て看板が
あった。トンネルの入り口には鉄格子があり、中に入れない様になっていたが、石が転がって
いるのを見れば危険防止の処置としては止むを得ないだろう。写真を撮ると、トンネルから
漂う冷気がストロボの光に反応して霧の様に写った。2枚だけしかない看板を見て、祖先の
偉業に対する市の対応の希薄さを感じるのは私だけだろうか・・・。
埋め立てた元・掘抜排水路入り口に立つ記念碑 (河口湖湖畔県営駐車場)
河口湖へ向かった。
船津三叉路信号から河口湖畔へ向かい200メートル行った右側に河口湖新倉掘抜史跡館がある。
駐車場に車を止め、受付の窓を叩くが係りがいない。開いている入り口から中に入ると2階の
レストランに声を掛けるよう指示がされており、階段踊り場まで上がったら、係りのおばちゃん
古屋さんが出て来た。入場料500円を支払ったら、たった1人の為に詳しく説明してくれた。
以前から疑問だった河口湖町と富士吉田市赤坂地区境界線近くにある飛び地は掘抜きを
掘る為に竪穴を15箇所開けた時の代替地の一部だそうだ。また、直線的に掘れば2キロ弱の
距離を3.8キロもの距離になったのは、より広範囲の田畑に水を供給する為と、1人しか
通れない坑道を人力で掘り進む作業効率の悪さを補う為竪穴を掘り、同時進行で掘り進んだ。
トンネル内部は殆どが岩盤だ、硬い岩盤にぶつかると岩に火を掛けて焼いては堀る、今を
生きる者には考えられない、気の遠くなる作業だ。
岩に残されたノミの後が先人の想いを雄弁に語っていた。
地元に住んでいて、行った事がない方は是非一度は訪ねてもらいたい場所だ。
150年前に、先人が苦労して残してくれたものを知り、後世に伝える事は今を生きる者の
勤めだ。ましてや明治時代以前に掘った手掘りトンネルとして日本最長距離を掘り抜いた
先人を祖先に持っている事を、大いに誇りにしたいものだ。
新倉掘抜史跡館
Tel: 0555-72-3060
水曜 定休日
大人500円 子ども300円
投稿者 pinetree : 2006年07月09日 17:39