2013年04月25日
さかさ！
さかさ！
今日は葬儀だ、聖苑にて遺骨を見送り、先程帰って来た。
亡くなったのは分家の次男坊５４歳。いわゆる自死であるが至る経緯は
兄も両親も分からず一人で亡くなり、家で親族だけの密葬となった。
独身、物静かでニコニコ人の話を聞く優しい男だった。１５年程前に
注文住宅で家を立てた、二階立てで建坪３０坪以上ある立派な家だ。
母親は私の２５年前に亡くなった母と姉妹のように、とても親しかった。
その母親が次男の残した家で読経が流れる中、嗚咽を漏らし、肩が
小刻みに震えていた。私の母親は、逝くのが早過ぎたが父兄妹に看取られ
逝った。ある意味で順番が来るのが早かっただけである。
子が先に死を迎えるのを、この辺では「さかさ」と呼んでいる。長く
健康に生きられるのは幸せな事であるが、この「さかさ」だけはいけない。
病気・事故ではない自死である、生んでくれた親に対する最大の親不孝だ。
高齢の母親が取り乱す事もなく「ありがとう！ご苦労さん！いい所へ行けよ！」と
次男に語りかける姿が涙を誘った。
次男の家は玄関を開けると広い廊下になっており、左に８畳の和室が２間
廊下を挟んで広いキッチンとリビングになっている。兄姉妹が大勢いるので
通夜・葬儀共に４０人を超える人数が集ったが全員が家に入る事が出来た。
ふすま、障子を開ければ１フロア、昔タイプの家だ。「この事を予想して建てたのか！」と
問い詰めたいところだが、もう、この家に帰って来る主はいない。
まさる君の冥福を祈って・・・。
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投稿者 pinetree : 2013年04月25日 16:29