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2005年10月04日

ホ~~~ッ!

 本日、18時20分の事です。
ゴルフに出掛け留守をしていましたので、残務処理をフロントでしていた所、見慣れないタクシーが入ってログハウスの前に止まりました。景気の悪い今日この頃、タクシーを飛ばして仲間に合流とは見上げた根性のお客様だナ、などと思って仕事をしていた。4~5分経っただろうか「こ・ん・ば・ん・わ(-_-;)!空いていますか?」と常連の i さん(女性)が、後ろにタクシーの運転手さんを従え入って来た。「いらっしゃいませ! i さん!」、 i さんは目で指し「見張りです」と一言。運転手は目をキョロキョロさせながら訴え掛けて来た。

 「お一人ですか!」いつもは旦那さんか、お母さんといらっしゃる i さんが今日は1人、目には涙も落ちそうに溜まっていた。只ならぬ雰囲気を感じつつ、空いているお部屋に案内した。部屋に入ると運転手に露天風呂や部屋の説明をしていた。 i さんの隙を見て運転手にフロントへ寄ってくれる様頼み、来るのを待った。20分程してやって来た。

 話を聞くと、国立駅近くで客として拾い、河口湖迄と聞き喜んでスピードを上げ走ったが、客の話す携帯電話の会話の内容「別れる・死ぬ」を聞いている内に気が重くなり、スピードダウンし、えらいものを拾ったと後悔したそうだ。運転手君は、気は弱そげだが、律儀で真面目な人だった。「死にたい~!」と、打ち明ける彼女に、もし君が運転手だったら「ハイ!と言って、言われたままに寂しく暗い場所へ置いてきぼりに出来るか・・俺は出来ないよ!ホテルか旅館へ案内します」 彼女「ジャー!知ってる所があるから・・・」と、案内されて来たとの事だった。「案内されて信号の角を曲がったら林が続いていたからビックリした・・・」だって。悪かったね辺鄙(へんぴ)な所で!「でも、直ぐ近くだし、ホントに彼女の知り合いで良かった~!」だって。そそまま帰る訳にも行かず、帰るなら待っているから一緒に帰ろうと i さんを落ち着かせる為に風呂へ入る事を勧めフロントで待った。

 その間、自殺希望者に対するマニュアルは無いかと富士吉田署生活安全課に電話で尋ねたら、「説得して帰る様勧めて下さい、ダメだったらパトを呼んで下さい、警察で保護します」だって。常連さんだし、いきなりパトは呼べないし、こちらも正直困った。

 21時、お部屋を二人で訪ねると運転手君が、いいよの合図をくれたので1人フロントで待った。20分後、 i さんが落ち着き車に乗ったと報告に来て、恥ずかしいから渡してと、預かったお金を差し出した。「いいよ!運転手さん彼女から一杯貰いな!気を付けて帰って ネ!」 「今度、プライベートで来ますね♪」 「どうぞ、いらっしゃい!」
 
 21時25分、i さんを乗せたタクシーは帰って行った。
  ホ~~~ッ!である。

投稿者 pinetree : 2005年10月04日 23:00